朝4:30に人吉を出発。
まだ、夜明け前。暗い。
高速はトラックばかり。
坂本SAぐらいで夜が白み始めるが、紫のハイウェイは見られず、曇天の空模様。
通り慣れた九州道ををひたすら北上。
大宰府ICでおり、都市高速には乗らず、3号線を走り、博多を目指す。
しかし、平日の朝のラッシュ時になってしまい、渋滞。
仕方なく、他のバイクの真似をして、すり抜ける。
さすが博多も大都会。
しばらく振りとは言え、渋滞を忘れていた自分が恨めしい・・。
8時に長浜到着。人はあまり多くはないが、久しぶりに来た長浜家には、オリジナルグッズが売られていてびっくり。思わず買いそうになるが我慢。
カタを注文。これを食べなきゃ旅は始まらない。
3号線を北上し、貝塚から飯塚を目指す。
トラック専用道路課と思うぐらい、道はトラックでびっしり。
すり抜けながら、なんとか走る。
福岡IC入口を抜けると、トラックの数が激減し、走りやすくなる。
笹栗でコンビニに入り、しばらく休憩。
青空が見えてくる。
いい天気になりそうな予感。
しばらく山の中を走ると、飯塚の町が見えてきた。
大学生の頃、バイトで来たことがあったが、その頃の印象とは違い、天気のせいもあるかもしれないが、明るく開放的なきれいな町に見えた。
スタンドでガソリンを入れ、田川を通って、行橋を目指す。
このころになると、ひたすら暑い。
肌がじりじり焼けるのがわかる。
ひりひりする。
行橋からは国道10号線に入り、南下する。
コンビニで休憩、水をがぶ飲みする。
中津市で昼食。名物の唐揚げを購入し、近くの公園の木陰で食べる。
よこづなというお店。
ほんと、中津はどこにでも唐揚げ屋がある。
中津城は以前行ったことがあるので、今回はパス。
福沢諭吉の実家にも、行こうかなと思ったが、以前行ったのでパス。
コンビニでがりがり君を購入。
染み入るようにおいしい。
臼杵へ向け再スタート。
宇佐が近づくにつれ、宇佐神宮の表示が出て来るようになった。
宇佐も、以前行ったので、今回は行くつもりはなかったが、表示が近くづくにつれ、行きたくなる。
これも縁ということで、寄ることに。
駐車場代100円を払って、神社へ。
川をいくつか渡り、境内に入る。
境内に入った瞬間、やはり空気が変わるのを感じる。
とても広い。
ひんやりとした森を本殿に向かってかなり歩く。
エンジニアブーツでは正直きついが、仕方ない。
玉砂利を踏みしめながら歩く。
本殿では、家族の健康を祈願しながらお賽銭を入れる。
宇佐の町は、工事用トラックが多く、何か埃っぽい。
山肌に「USA」と大きな看板が立っている。
このあたりの国道10号線は、道は狭く、車は多く、天気は暑く、つらい。
つい、うとうとする自分に、はっと気づいてびっくりする。
危ない、危ない。
集中、集中。
なかなか、距離を稼ぐことができず、ちょっと焦り始めたころ、ようやく別府の海が見える。
繁華街を抜け、海沿いの道を走る。景色も風も気持ちいい。
別府マラソンのコースだ。
そこから、さらに南下。大分を目指す。
大分を抜け、高速を使うか、下道を行くか、迷うが、下道を選択。
もう小学生が下校しているのが見える。
道がどんどん山道になっていく。
多分どこかで間違えたようだが、臼杵はこちらの看板はある。
これでいいのか。これでいいのかと何度も自問しながら、山道をくねくね進むと、ようやく臼杵の町が見えてきた。
のどかな山付きの集落にでた。
川が流れている。
護岸していない、いい川だ。
しばらく臼杵の市街地を目指して走ると、突然、フンドーキンの大きな看板が見え、大きな川を渡った。今回の旅の最大の目的地、臼杵川だ。
大学生だった頃、ひまわりという女性3人組のグループが「臼杵川を渡れば」という曲を出した。フンドーキンのテーマソングということだった。
どういういきさつだったか覚えていないが、イムズであったミニコンサートみたいなものにも行ったような気がする。シングルCDも持っていた。
当時もすごくローカルなグループだと認識していたし、曲もヒットなんかしなかったと思うが、なんとなく、自分の琴線に引っかかる曲だった。
遠い夏を思い出させるような、ノスタルジックな曲だった。
それを、最近、YouTubeで見つけ、久しぶりに聞いた。
YouTubeでは、フンドーキンのCMもあった。
美保純が主人公役だった。
いずれにしても、ずいぶん昔の曲であり、CMであったが、急にあの頃の感情を思い出した。
たまらなく臼杵に行きたくなった。
曲に出てくる臼杵川を実際に渡ってみたかったし、臼杵川を渡る風を感じたかった。
その臼杵川を、今渡ったのだ。
とりあえず、今日泊まるホテルを探した。
駅前で、すぐに見つかった。
チェックインし、風呂に入り、さっぱりして、ジーンズとブーツを、半ズボンとスニーカーに変え、臼杵の町へ出た。
昼間の太陽の光はずいぶんなりを潜め、柔らかくなっていたが、まだ夕暮れというには早く、日が沈むまでにはもうしばらく時間がありそうだ。
近くのコンビニでビールを2本買い、臼杵川に向かった。
堤防に腰掛け、ビールを飲む。
スマホで「臼杵川を渡れば」を聴く。
川面を渡る風が心地よい。
フンドーキンの看板を見ながら、歌詞に思いをはせる。
橋のたもとに移動し、ずっと立って、橋を渡る車や人を眺める。
橋を渡る車や人を眺めながら、いろんなことを考えた。
自分のこと、家族のこと、自分の周りにいる人のこと、これからの未来。
すごく落ち着いた気分だった。
1時間近く、そうしていた。
夕暮れが近くなり、町を散策することにした。
古い歴史的な建物が多く残っている町だ。
暗くなるまであちこち動き回った。
ホテルに戻ったのは、すっかり日が暮れてからだった。
夕食付きのプランだったのでレストランで、夕食をとる。
ここでも唐揚げである。
大浴場に入る。
風呂上がりに、またビールを飲んで、そのまま就寝。