僕の旅はまだまだ続く

ハーレーを中心とした旅の記録

大雨と大風の中で~3日目~

10月9日(月)

昨夜もずいぶん風が強く、雨音もうるさかったが、朝6:00に目を覚ますと、風が止んでいた。雨も上がっている。

テントを出ると、目の前の海も波がなく、穏やか。
空には、雲の隙間から、わずかではあるが晴れ間も見える。
低気圧が去ったのだ。
暗黒のフォースはすっかり消え去った。そんな気分だ。

なんとなく生きのびたという気分。
オーバーだけど。

テントの外で、歯を磨き、椅子を出して、海を見ながら、コーヒーを飲む。
これがしたくて、ここまで来たのだ。
3日目でようやく叶う。

バーナーでウインナーを焼き、パンにはさんで、マヨネーズをかけ食べる。
ソロキャンプの朝の最高の朝食の一つである。
それだけで、なんとなく、しかし、すごくいい気分。

朝食の後、散歩がてら、付近を歩く。
ホテルにも行ってみたが、なんと驚いたことに、すでに営業していなかった。
テントサイトからは、ぼんやり明かりが見えていたから、営業しているのかと思っていたが、非常灯か何かの明かりだったようで、入口には営業をやめた旨の告知がされていた。

廃墟とまでは言わないが、営業していないホテルは不気味ですらある。
できれば、温泉に入りたいと思っていたのだけど、あてが外れて残念という気持ちと、やはり過疎化の地方の町の未来をまざまざと見せつけられたような気がした。
映画の中では、とても晴れの場所であったのに。

地方の過疎化の現実を見たようで、少し、気持ちが沈む。

風が強く、潮風を浴びたのでは心配していたハーレーも、一発でエンジンがかかり、問題なさそう。

雨に濡れた道具をパッキング

テントをたたみ、荷物をバイクに積み込み、8:00に誰もいないキャンプサイトを出発。


なんとなく切ない。

いまさら佐多岬という気分でもなく、このまま帰途につくことに。
天気もまったく心配ないというわけでもないのだ。

南大隅町の中心部らしきところを通る。映画に出てきた役場はわかったが、後はよくわからない。

左手に開聞岳を望みながら、ひたすら国道を北上する。
車はほとんどいない。

途中、アダンの群生地というところで休憩がてらコーヒーを飲む。

しばらく走ると、やはり雨が降り出す。
ネットで調べると、しばらく小雨が続くようだ。

まだまだ暗黒のフォースの霧が立ち込めているに違いない。
コンビニの駐車場で、カッパを着る。
今回の旅は、わかってはいたが、最初から最後まで雨である。

雨の中をひたすら走る。
道の駅の駐車場横の東屋で、バーナーでお湯を沸かし、車で来ている観光客の視線を避け、雨の錦江湾を眺めながら、“うまかっちゃん”を食べる。

道の駅で、海を眺めながら昼食  目の前にあるのは足湯

いつも食べているうまかっちゃん”ではあるが、こうしたシュチュエ―ションで食べると、なかなか趣深い。場違いな感は否めないが、仕方ない。

北上するに従い、少し晴れ間も見え始め、姶良の手前で、カッパを脱ぐ。
爽快である。

車も少なく、マイロードの中を、軽快に飛ばす。
バイクで走っていて、自由を感じる瞬間である。

どこまでも行けそうな気がする。
天気はもう大丈夫そうだ。
姶良から湧水に入り、再び黄金色の稲穂の中を走る。
秋である。

黄金色の稲穂に染まる秋の田んぼ

ループ橋を通り、人吉に戻ったのは、まだ14:00。
それから温泉に行き、冷えたビールを飲んで、今回の旅は狩猟。

終わってみれば、


雨に向かって走り、雨の中で過ごした今回の旅もまあ悪くはなかったかもしれない。

これはこれでよい旅であった。