8月5日(土)
朝は、暑さで目を覚ました。
もうすっかり陽が昇っていた。
汗びっしょりである。
椅子だけ木の下に移動し、コーヒーを飲む。
昨日、朝食用に買っていたおにぎりを食べ、しばらく本を読む。
9:00ごろ出発。
今日は、天草の東海岸を通り、人吉に帰宅する予定である。
本渡市から、下浦町を通って、栖本町に入る。
標識や町の看板にカッパのイラストが多く見られるようになった。
カッパの伝説があるのだろう。
ただ、今回、栖本町に来たのは、ここにあの妖怪“あぶらすまし”の墓があるからだ。
スマホの地図を頼りに、栖本町の海岸の道から、山の方へ進む。
田園風景の中をしばらく走ると、#あぶらすましの墓“という看板があった。
ここで、バイクを停め、さらに山の方へ歩く。
駐車場の看板の解説文では、天草では、“あぶらすましどん“と呼び、ここらに住んでいたという伝承があるようだが、この“あぶらすましどん“はゆわゆる菜種油を集めることを生業にした人のことを指すようである。
つなり、生業としてはなはだ不安定で、そうした山々を移ろう人々のことを“あぶらすましどん”と呼び、それがいつの間にか妖怪化したのであろう。
妖怪の成立過程を考えると、本当に面白い。
もちろん、あの水木しげる氏の功績が大きいと思うが。
あぶらすましどんの墓は、農家の脇の道を山の方へ少し歩いた崖の下といったところにあった。
ちいさく、人目に付くような場所ではない。
それでも、こうした伝承に残ることで、続いていくことが大切であるが、課題はその永続性である。
海岸の道に出て、しばらく海岸線に並行して走る。
空は青く、雲は白く、緑の島々は木々の濃ゆき藍色を示している。
姫戸町を通り、松島を抜け、上島を走り、三角町に入る。
途中、有名なちゃんぽん屋に入り、昼食としたが、あまり好みではなかった。
こんなことなら、初日に食べた「きっちんぽっと」に行けばよかった。
後は、ひたすら3号線を南下し、八代ICからは高速で人吉に帰る。
ほんと、社会科見学のような天草キャンプツーリングであった。