僕の旅はまだまだ続く

ハーレーを中心とした旅の記録

GW鳥取へ2日目~広島から岡山総社へ~

本日のルート

 

5時に目が覚める。外はまだ暗い。空気も冷たい。
バーナーでお湯を沸かし、コーヒーを淹れる。
いい天気になりそうな雰囲気。
気持ちの良い朝。

パッキングを終え、7時キラさんに別れの挨拶。ラインを交換し、バイクの写真を撮り、良い旅と言って、彼が出発するのを見送る。

キラさんのバイクと一緒に

彼が出発するのを見届け、さあ、出発しようとするとセルがキュルキュルいうだけで、エンジンがかからない。あれっ。何度もキュルキュルさせていると、ガッガッとなる。
まさか、バッテリーが上がったか。いやいや、でも回るのは回るから、もしかしたら、それ以外か。
落ち着け、落ち着けと、自分に言い聞かす。

ガソリンでかぶってしまっているし、自分を落ち着かせるために、コーヒーを淹れる。


再度、セルを回すが、ダメ。
ただ、まだ8時前。時間も早いし、30分後にもう一度挑戦。それでだめなら、チューリッヒだ。
気温も上がり、良い天気。絶好の朝なのに、動けない。なんてこった、である。
こんなところで。
さあ、これからどんな結末になるのか。

30分後、再挑戦。ダメ、さっきよりもセルの音が弱くなっている。
これはもうチューリッヒだ。スマホでWeb手続きをする。
30分待っても、チューリッヒから連絡がない。
心配になり電話をするが、それも混んでいるのかつながらない。
イライラしているとようやく電話がつながり、Web手続きはできているとのこと。GWで忙しいもう少し待ってくれとのこと。
結局、9時すぎにレッカー車が到着。ジャンプでかかればいいがということで、ジャンプするとあっさりかかる。電圧を図ってもらうと、ギリギリのところ。交換が安心でしょうねということ。
そう思う。
お礼を言って、まずはバッテリー交換のために、ネットで調べたバルコム広島を目指す。

バルコムは正規ディラーだから、純正バッテリーしかないだろう。値段は高いが仕方ない。旅を前に進めることが重要だと自分に言い聞かせるが、店まで行ってみると、なんとGWで休み。

ネット情報ウソばっかりである。
楽勝気分が一気にしぼむ。

店の前で、エンジンを切るわけにもいかず、バラバラ排気音を響かせながら、スマホで、営業している店を探すがない。カスタムショップは軒並み休み。レッドバロンにも電話するが、おいていないとのこと。八方ふさがりだ。
ただ、ナップスが海の方にあるようで、そこならもしかしてあるかも。

そこに望みを託し、少し距離があるようだが、行ってみることに。

なかったらどうしようと不安になる気持ちを精一杯抑え込み、
スマホを頼りに走っていると、通りに、ハーレーや国産アメリカンを並べたカスタムショップがあった。

サンモーターサイクルと看板があった。
店も小さいし、国産メインのところかな。ないだろうなと思い、一度は通過したが、いや、ないならないで、あるところを紹介してもらえるかもと思い直し、Uターンして店に行く。店長さんらしき人が店の前にいて、状況を説明すると、電圧を図ってくれて、うーん、交換します?在庫はあるけど、と言ってくれた。
その瞬間、緊張がスーッと解けていくのが分かった。お願いしますと即答し、初期充電の間、しばらく店内で待たせてもらうことに。

地獄で仏 サンモーターサイクルズ

初期充電が終わると、付け替えてくれるだけでなく、タイヤの空気を入れてくれたり、配線処理がまずいということで、タイラップで処理してくれたりしてくれた。メカニックは紫の長髪で無口な人だった。

代金はDYTONAのバッテリー代だけでいいということで、工賃もなしだった。店内にはすごいカスタム車が何台もあったし、スマホで調べてみると、いろいろやっているようである。当たりである。よかったぁ。
何度もお礼を言った。
出発のときには店長も無口な紫長髪のメカニックの人も店先まで出てきてくれて、見送ってくれた。

すごくいい気分で、広島の街を走りながら、ふと思った。もし、昨日、生もみじ饅頭を探しに、宮島方面へ走らなかったら、きっと昨日は安芸高田市の山奥のキャンプ場に行っただろう。そしたら、翌朝、バッテリーが上がって、交換しないといけなくなったら、どんな選択肢があったろうか。やはり広島市内を目指すしかないだろう。そう思うと、昨日失敗と思ったことが、そうではないのである。

やはり人生、塞翁が馬である。

国道54号に戻り、安芸高田市を目指す。
街を離れ、どんどん田舎道になるが、車も少なくなり、良い気分。ループ橋を超える。
安芸高田市は標高の高いところにある町のようであり、のどかなところだ。
山の緑が美しい。栗の花の匂いがする。

国道から高梁川を眺める

安芸高田市の歴史資料館に到着。郡山城は、ここから山を登る。
途中、毛利元就の墓をお参りして、頂上にある本丸を目指す。
案内板には、登山口と書いてある。

郡山城本丸を目指す 登山?

まさしく、登山というべき感じで、スティックが必要だ。雨吹山よりよっぽどきつい。
革ジャンを着て、エンジニアブーツで登るのはほんと、つらい。しばらく登ってようやく頂上に到着。

郡山城本丸

二の丸も三の丸も広く、あんな山の上なのに、立派な石垣が組んである。尾根のあちこちに櫓があったというから、山全体がお城である。
すさまじいと思う。さすが100名城に選ばれるだけのことはある。
こんなところまでだれが何のために攻めてくるというのだろう。

三好市に向かう。
途中の風景がのどかで、赤瓦の家の一つ一つがとても大きい。
敷地を塀でぐるっと囲っている屋敷が多いが、九州ではあまりそういうのはみない。
中国地方独特な感じがする。
それもお城みたいでイカス。

車も少なく、とても走りやすい。
天気も良い。

三次市の目的は「もののけミュージアム」だ。
展示品がさすがにすごい。
観光客も多い。
妖怪で人が集まるのだ。
この建物が人吉にあればなあ。
夏目友人帳ミュージアムできないかな。
自分のお土産に「稲生物怪録」を購入。

もののけミュージアム

ミュージアムのベンチに座り、スマホ総社市までのルートを確認する。
総社市の「水の楽校」という無料キャンプ場を目指す。

無料高速に乗る。
尾道までは無料なのがうれしい。ずいぶん時間の短縮になる。
夕暮れが近くなり、少し肌寒さを感じるようになる。
手袋をはめようと、路肩にバイクを止めるが、グローブが片方ないことに気付く。
どこかで落としたらしい。ずいぶん長く使っていたグローブだけに残念。
痛恨の極み。
尾道ジャンクションから山陽高速に入り、玉置ICおりる。
高梁川に沿って北上する。

「水の楽校」は高梁川の河川敷を無料キャンプ場として開放してあるところで、とても広いが、もうすでに多くのファミリーキャンパーでにぎわっている。
ソロキャンパーはあまりいない。
とても賑やかで、あちこちでバーベキューしている。

岡山県総社市 水の楽校キャンプ場

近くのスーパーに行き、半額になった弁当を購入。
すっかり日が暮れた中、テントの中から、高梁川の夕暮れを眺めながら夕食とする。

タフな1日であったが、なんとかここまで着いた。
正直ホッとした。

21:00、テントの中で、寝袋に入って、安西水丸の「小さな城下町」を読む。
どこからのグループがカラオケを歌っている。
やれやれである。